静電気測定器の正しい選び方、使い方【図解】

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静電気測定

静電気測定器の購入ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。

・静電気測定器の原理、仕組み、効果

・静電気測定器の使い方、校正

・静電気測定器のメーカー比較、種類

・静電気測定器の保管、お手入れ、設置

・静電気測定器のおすすめネット通販商品、ランキング、口コミ

静電気測定器 レンタル、中古

ご参考になれば幸いです。(^_^;)

静電気測定 評価とは

静電気障害を除くためのデータを得る目的で行われる計測は,計測対象が単純ではないだけでなく,その計測方法についても定まっていない部分があり,その一つ一つの多くが研究テーマにもなり得るものである。
静電気計測として必要な項目は,
① 電荷量の計測
② 電位・電界の計測
③ 材料の静電気的特性に関する計測
④ 静電気放電とその影響に関する計測
⑤ 静電気障害対策用品の性能判定のための計測
などである。

 

日本工業規格JIS C  61340-2-2では静電気の帯電特性の測定を下記のように定義しています。

JIS C  61340-2-2  帯電特性の測定  解説概要

この規格は,物体と他の物体との間の接触,剝離,摩擦などによって発生する静電気電荷を評価するための静電気の帯電特性の測定方法について規定する。また,この規格で取り扱う静電気の発生過程は,エレクトロニクス産業に限定したものであり,測定対象についてもエレクトロニクス産業で一般的に用いるものに限定する。

なお,この測定方法は,着火及び爆発の可能性がある環境には適用しない。注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。IEC/TR 61340-2-2:2000, Electrostatics − Part 2-2: Measurement methods − Measurement ofchargeability(MOD)

その他のJIS C  61340-2-2 帯電特性の測定の詳細は下記のサイトを参考にして下さい。

日本工業規格 JIS C  61340-2-2

JISC日本工業標準調査会サイト

帯電特性測定の日本工業規格はJIS JIS C  61340-2-2 です。JISC日本工業標準調査会サイト内のJIS検索から内容が閲覧可能です。(但し印刷不可)

*現在はIEインターネット エクスプローラーのみ閲覧可。

kikakurui.com |JIS規格票をHTML化したサイト

帯電特性測定の日本工業規格 JIS JIS C  61340-2-2が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

帯電特性測定 JIS JIS C  61340-2-2

 

電荷量測定、計測 | クーロンメーター

電荷の測定器具としてはクーロンメーター(電流積分法)やファラデーケージなどがあります。クーロンメーターは、たまつている静電気を所定のコンデンサに電流として流し込み、その電流を積分して帯電電荷量を測定するものです。ただし、帯電している電荷を電流として放電させるため、測定することにより元の帯電状態は壊され二度と測定できない破壊検査です。

クーロンメーター

図1 クーロンメータ(電流積分法)

 

 

 

 

 

 

ファラデーケージ法は、外側が接地された二重円筒導体容器を用いて、内側容器に被測定物を入れます。そのときの内側容器の電圧上昇分で帯電電荷を計算するものです。古くからよく知られた方法ですが、原始的な方法のため、実験室ならともかく工場などでは実用的とはいえません。

ファラデーケージ法

図2 ファラデーケージと測定原理  ファラデーケージは二重の金属容器で,内側容器の中 に帯電体を入れ,その電位を電位計(エレクトロメータ) で測定する。外側容器は誘導ノイズを除くための静電シ ールドである

 

 

 

 

 

 

 

 

電位の測定計測 | 振動容量型電位計

帯電していない導体は,近くに帯電体が無い広い空間に置かれていればその電位はゼロである。しかし,この導体に帯電体が接近すると,導体自身に電荷が無いにもかかわらずその電位が変化する。

このときの導体の電位は,導体の大きさ、形、導体一帯電体間の間隔などによって変化するが,これらの条件が一定であるとすると,帯電体の電位(あるいは電荷量)に比例して決まる。そのため,導体の電位を測定することによって,帯電体の電位(あるいは電荷量)を知ることができる(図3)。

電位測定

図3 導体に帯電体が接近すると,導体の電位が変化する

 

 

 

 

 

 

 

電位計としては、検出電極を電界方向に振動させ交流電圧を起こし、これを増幅整流して直流に変換し読む振動容量型電位計がよく知られています。

振動容量型電位計

図4 振動容量型電位計

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表面電位計測の注意

電位は帯電体の電荷量だけで決まらずに,その部分の静電容量に依存して決まる。静電容量は帯電体の置かれた状態によって変化するから,「帯電体の電位測定するために,帯電体を電位計のある場所に持つてきて測定する」などというとは,多くの場合意味をなさない。

例えば,図に示すフィルムが金属ロールで搬送されている例では,A点のようにフィルムがローラに接触している所と,B点のようにフィルムが空間にあり,その裏面が物体から離れている所でのフィルムの電位は大変な違いを生じる。当然A点での電位は低なり,B点での電位は高くなる。

特にA点では帯電がフィルムの裏面である場合は,ほとんど電位がゼロに近くなる。またB点では表裏どちらの面が帯電しても表面電位計は同じ電位を示す。

電位測定注意

図5 電位測定注意

 

 

 

 

 

 

 

 

電界の測定、計測 | 回転セクター型電界計

電界の中に導体が置かれると,その表面には
σ=εo× E
の電荷が誘導され,その結果導体の電位が変化する。そのため,導体電位から電界を計測することができる。したがって,誘導電極での測定で測定器を電位の代わりに電界目盛りにすれば,電界を測定することができる。

導体の前面に接地した導体の羽根を設け,これを回転させると,導体に入る電気力線はこの回転する羽根によって周期的に切断され,導体表面の誘導電荷も周期的に現れるようになる。これも振動電極型と同様な交流出力が得られる測定装置であって,安定な測定ができる(図6)。

この装置は回転セクター型(セクターとは扇状の形を言い,回転する羽根の1枚1枚がこの形をしているためにこのように呼ばれる。 field mill ともいう)と呼ばれ,ビルの屋上に空に向けて設置し,雷雲の接近を観測するために使われていた。雷雲が接近すると地表近くでも電界強度が高くなるからである。

回転セクター型電界計

図6 回転セクター型電界計  誘導電極前面で金属の羽根(セクター)を回すタイプの電界計。アンプの出力は交流になるが,羽根の回転位置を検出し,これと同期してアンプの出力の正負を決定する同期整流回路を持ち,最終出力は羽根が開いたとき の誘導電極に誘導される電圧の極性の直流電圧として出力する

 

帯電体によって作られる電界は帯電体の電荷量,あるいは電位によって決まるから,この測定器は帯電体の表面電荷密度や電位を測定するためにも使われる。昔は表面電位計はほとんどこのタイプであったが,モータで羽根を回転させるので大型になるため,最近ではほとんどが振動電極式に代わられてしまった。

静電気測定器の選び方 |メーカー比較 価格

春日電機株式会社 カスガ

静電気除去装置、コロナ表面処理装置、静電気測定器、高電圧発生装置等、電気機器の開発 、製造、販売を行う会社。

デジタル静電電位測定器(KSD-2000)

静電気管理電圧が高い工程では、このデジタル静電電位測定器が適しております。
測定レンジ切替機能により、電子デバイスの低電位測定から樹脂成型品、フィルム・プリント基板製造等の高電位測定まで測定が可能。

シシド電気

昭和13年会社設立、産業界における静電気障害の克服を目的に、静電気除去装置の開発、生産販売。

電位測定器 -スタチロン-STATIRON DX1

帯電物体の表面電位測定、帯電プレートモニタ、イオンバランスモニタの3役を果たすマルチ機能の静電気測定器です。ハンディタイプのデジタル表示式で測定データのメモリー機能を搭載し、外部へのデータ転送が可能です。

 

ベッセル(VESSEL)

株式会社 ベッセル(英語: VESSEL CO.,INC )は、大阪府大阪市東成区に本社を置く工具メーカーである。1916年創業。

ベッセル(VESSEL) 静電気測定器 Eye-02 EYE02

●イオンバランスと帯電電位の測定がおこなえるコンパクト静電気測定器です。

●数値が定まりにくい“高速で走行するワーク”の帯電や“連続測定”に便利な「最大値(ピーク値)表示」機能付です。

 

おすすめ チャージプレートモニター

キーエンス ハンディタイプ 静電気測定器  SK-H050

静電気と湿度を同時 測定、チャージプレートモニタ機能付き。

ハンディタイプ 静電気測定器  SK-H050

ハンディタイプ 静電気測定器  SK-H050

イオナイザの除電能力を示す「除電速度」と「イオンバランス」を測定できるチャージプレートモニタ機能を搭載。
ご使用中のイオナイザの除電能力を手軽に計測することが可能、但し※別売のイオナイザモニタユニットSK-H055が必要です。

 

関連記事:静電気測定方法【図解】 

*さらに詳しい内容は下記の文献を参考に願します。

 

参考文献:

静電気の基礎と帯電防止技術 著者:村田雄司 日刊工業新聞社
たのしい静電気  著者:高柳 真
静電気トラブル Q&A  監修:田畠泰幸

図解 静電気管理入門 著者:二澤 正行 工業調査会
静電気がわかる本―原理から障害防止ノウハウまで 高橋 雄造 (著)
電気機器の静電気対策 (設計技術シリーズ) 水野 彰 (監修)

 

 

コメント

  1. […] 関連記事:静電気測定器の正しい選び方、使い方 […]

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