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チャージ プレート モニター、帯電プレートモニターの正しい選び方、使い方【図解】

チャージ プレート モニターの正しい選び方、使い方 静電気防止グッズ
この記事は約13分で読めます。

チャージ プレート モニターの購入ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。

・チャージ プレート モニターの原理、仕組み、効果

・チャージ プレート モニターの使い方、校正

・チャージ プレート モニターのメーカー比較、種類

・チャージ プレート モニターの保管、お手入れ、設置

・チャージ プレート モニターのおすすめネット通販商品、ランキング、口コミ

チャージ プレート モニター レンタル、中古

ご参考になれば幸いです。(^_^;)

 

チャージ プレート モニターとは?|帯電プレートモニター

除電器の性能を評価するには、「イオナイザー・パーフォーマンスーテスター」という装置を使うのが一般的です。帯電させるプレートを持つためCPM(チャージ プレート モニター)とよぶこともあります。

チャージプレートモニターは英語で charge plate monitor と言います。

中国語では、帯電プレートモニターは充电板监视器と言います。

 

チャージ プレート モニターの概要解説

主な機能

  • 除電時間の測定: 帯電したプレートにイオナイザーからのイオンを当て、電圧が±1000Vから±100Vに減衰するまでの時間を測定します。
  • イオンバランスの測定: プラスイオンとマイナスイオンのバランスを測定し、イオナイザーが偏ったイオンを発生させていないかを確認します。

用途

帯電プレートモニターは、主に以下の用途で使用されます。

  • イオナイザーの性能評価
  • イオナイザーの定期的なメンテナンス
  • 静電気対策の有効性の確認

仕組み

帯電プレートモニターは、測定対象となるイオナイザーのイオンを当てるための帯電プレートと、その電圧を測定する電圧計で構成されています。

  1. 帯電プレートに高電圧を印加して帯電させます。
  2. イオナイザーを作動させて、帯電プレートにイオンを当てます。
  3. 電圧計で帯電プレートの電圧変化を測定し、除電時間を計測します。
  4. 除電後の電圧からイオンバランスを測定します。

使用例

  • 半導体工場や液晶工場など、静電気に敏感な電子部品を扱う製造現場
  • 静電気による火災や爆発の危険性がある場所
  • 静電気による製品の不良が発生しやすい場所

帯電プレートモニターを使用することで、イオナイザーの性能を正確に把握し、適切な静電気対策を行うことができます。

チャージ プレート モニターによる除電器のイオン測定

除電器の性能評価の目安となるのがイオンバランスです。イオンバランスとは、プラスイオンとマイナスイオンの混合比のことです。両者が等しいとき、イオンバランスがOV(ゼロボルト)と表現します。評価方法は、除電器から出てくるイオン中に電極を置き、電極の静電位を測定します。測定した極性と静電位で、プラスとマイナスのどちら側にどれくらいずれているかを調べ、それをイオンバランスとして表現します。

除電器の性能評価の重要項目は、イオンの品質(イオンバランス)です。というのも、イオンバランスは除電した結果、最終的に何Vまで静電気を除去できるかを表すためです。その意味では、イオンバランスは0Vであるのが理想的です。

除電器の方式によりイオンバランスは異なります。AC型除電器では電源の50/60ヘルツの脈動がイオンバランスとして出てきます。またDC型除電器では、場所によりイオンバランスが変化しやすく、パルス型除電器ではパルス周波数がそのまま大きなイオンバランスの脈動として現われます。これらをいかに0Vに近づけるかが除電器の1つの性能評価基準になります。

除電器が20PFの静電容量の帯電電極にためた静電気を中和する時間をディケイタイム(除電に要する所要時間、減衰時間:decay time)といいます。除電器の除電速度を表すもので、除電器から出てくるイオンの濃度を測定し評価するものです。一般的にはディケイタイムは短いほど除電能力は強力です。しかし、短ければよいものでもありません。というのも、半導体のように脆弱な対象物を除電する場合、極端に濃度の濃いイオンをかけて瞬時に除電すると、半導体に大きな誘導電流を流すことになり、これを破壊する恐れがあるからです。

イオンバランス測定

帯電 減衰時間 ディケイタイムは 短いほど除電は速いが、極端に濃度の濃いイオンをかけると半導体を壊す恐れあり。

 

イオナイザーの評価方法

イオナイザーの評価としては、社内基準的な方法で行うこともできますが、ISO等国際標準的な各国との整合性が重要となっています。社内の基準で評価、管理の正当性を主張しても買手の意志とそぐわなければその評価は認められません。

現在の主流となっている評価方法に「電プレートモニタ」と呼ばれる測定器を使う方法があります。これは、米国ANSI規格に承認されたEOS/ESD ANSI/ESD-S.3.1-1991規格で規定されています。この規格はイオナイザーに特性評価結果をユーザーに提供するために制定された標準です。帯電プレートモニタの構成要素は表1の通りです。

表1 帯電プレートモニタの基本的な構成要素

① 絶縁された15Cmx15Cm角の導電板(金属プレート)
② 士5000V以上出力できる直流高電圧電源
③ 15cmx15cm角の導電板が20pF土2pFの静電容量を持つ構造
④ 15Cmx15Cm角の導電板の電位を連続的に測定できる静電気電位計
⑤ 初期電位から1/10電位までの減衰時間を知るためのタイマー
帯電プレート

図1 帯電プレート

イオナイザーの試験測定機器

イオナイザーの性能測定を行うために、この規格で推奨する、試験機器は帯電プレートモニタ(帯電プレートの詳細は図1参照)です。帯電プレートモニタによる測定方法は、再現性も高く計測器メーカー各社がこの規格に準じて帯電プレートモニタを製作しており、測定値のバラツキが少ないという利便性があります。

試験機器・帯電プレートモニタの導電板は、15cmX15角で電気的接続がない試験器に取り付けたときの最小静電気容量は15pFです、銅板と試験回路を含む総静電気容量は、20pF±2pFです。図14に示す導電板の間隔“A”には、支持絶縁体、または加電圧接点以外に接地やその他いかなるものも近づけてはいけません。絶縁した導電板は、試験電圧に帯電した時、5分以内に試験電圧の10%以上減衰してはいけません。

 

導電板の電圧は、表1に適合した試験機器により測定します。試験機器の応言時間は、導体板電圧の変化を測定するのに十分な精度がある必要があります。

除電時間の測定方法

除電時間の測定は、帯電プレートを帯電し、その帯電電位が10%に減衰する迄のタイムを測定します。帯電電位の減衰タイムは、静電容量を係数として静電気の減衰タイムと言えます。

Q[C]=C[f]×V[V]

静電容量Cが変わらなければ、静電気(電荷量)Qと帯電(電位)Vは比例します。つまり、帯電プレートで測定した減衰タイムに、静電容量の違いを考慮すれば、静電気の減衰タイムが分かります。

イオンバランスの測定法

イオンバランスの測定は、帯電していない帯電プレートに、除電器からイオンを与えた時の電位を測定します。帯電プレートが設置された場所のプラス・マイナスイオン量が同じであれば電位は0Vを表示します。プラス・マイナスイオン量に差があると、多いイオンの極性側に帯電プレートが帯電します。

これは、帯電していない除電対象物に除電器を用いると、そのイオンバランス値分、逆に帯電させてしまう事を意味します。測定値は安定した数値になる迄待機し、除電器の運転5分後の電位を測定します。また、静電誘導の影響で値が変化する事があります。このような場合は、中心値を読み、イオンバランス値とします。

さらに下記のサイトで『日本産業規格JIS C61340-4-7:2011静電気−第 4-7 部:特定応用のための標準的試験方法−イオナイザ』にて除電器の評価方法について詳細に記載されています。

 

kikakurui.com |除電器イオナイザ評価方法 JIS C61340-4-7

除電器イオナイザ評価方法の日本工業規格 JIS C61340-4-7 が全文、閲覧、印刷可能です。(但し図、イラスト含まず)

除電器イオナイザ評価方法 JIS C61340-4-7

チャージ プレート モニターの選び方

チャージプレートモニターを選ぶ際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。

測定対象

  • どのような種類のイオナイザーを評価するのか?
    • イオナイザーの種類(直流式、交流式、パルス式など)によって、適切なチャージプレートモニターが異なります。
  • 測定する場所はどこか?
    • 設置場所の環境(温度、湿度、気流など)も考慮する必要があります。

 測定範囲

  • 測定したい電圧範囲は?
    • 一般的には±1000Vまで測定できれば十分ですが、より高電圧を測定する必要がある場合は、対応する機種を選びましょう。

精度

  • 必要な測定精度は?
    • 用途によっては、高い精度が求められる場合があります。

機能

  • 除電時間だけでなく、イオンバランスも測定したいか?
    • イオンバランス測定機能付きの機種もあります。
  • データロガー機能は必要か?
    • 測定データを記録したい場合は、データロガー機能付きの機種を選びましょう。

操作性

  • 操作は簡単か?
    • 誰でも簡単に操作できる機種を選びましょう。

価格

  • 予算は?
    • 価格は機種によって大きく異なります。

メーカー

  • 信頼できるメーカーの製品を選びましょう。
    • サポート体制なども考慮しましょう。

その他

  • 携帯性:持ち運びやすいか?
  • サイズ:設置スペースは十分か?
  • 耐久性:壊れにくいか?

いくつかの機種を比較検討し、上記の点を考慮して最適なチャージプレートモニターを選びましょう。

おすすめ チャージ プレート モニター、帯電プレートモニター

チャージプレートモニターのおすすめは、用途や予算によって異なりますが、いくつか代表的な機種と、その特徴を下記に紹介します。

 

おすすめ SCS チャージプレートモニター チャージアナライザー 711

電界強度計として使用できます
・イオナイザーの減衰時間を自動的に測定できます。
・付属のリモートセンサーを使い電界強度計としても使用可能

 

おすすめ キーエンス ハンディタイプ 静電気測定器  SK-H050

静電気と湿度を同時 測定、チャージプレートモニタ機能付き。

ハンディタイプ 静電気測定器  SK-H050

ハンディタイプ 静電気測定器  SK-H050

イオナイザの除電能力を示す「除電速度」と「イオンバランス」を測定できるチャージプレートモニタ機能を搭載。
ご使用中のイオナイザの除電能力を手軽に計測することが可能、但し※別売のイオナイザモニタユニットSK-H055が必要です。

 

ヒューグルエレクトロニクス 帯電プレートモニター MODEL 700A

イオナイザーのイオンバランス調整及び除電時間の測定を行う精密計測器です。
あらゆる種類のイオン発生器の除電効果の評価用として使用できます。帯電プレートモニターm700

 

シシド 電位測定器 -スタチロン-スタチロンDZ3

  • 必要な機能を備えつつ、価格を抑えたモデルです。
  • シンプルな操作性で、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

 

 

ホーザン(HOZAN) チャージプレートモニター 静電気対策アイテムの電荷減衰時間測定に F-237

静電気対策アイテムの電荷減衰時間測定に
イオナイザーや工具などの規格要求(RCJS、JIS)に対応
静電気対策の規格で要求される『±1000Vから±100Vへの電荷減衰時間』の測定が出来ます。

 

カスガ 携帯用静電モニタ  KSD-0201

帯電用高電圧電源を内蔵し、ボタン1つで簡単にイオナイザの評価、管理が行えます。
帯電板と表示部が一体となっており、片手で簡単に測定ができます。
帯電板の帯電減衰を目視で確認でき、帯電減衰後の残留電位がイオンバランスとして測定できます。

 

SIMCO チャージプレートモニター EA-5J

コンパクト、軽量、簡単操作。しかも充電式バッテリーでライン測定に便利。
ワンプッシュで減衰時間、イオンバランス測定を開始するオートモード装備。イオナイザの評価や管理の効率アップ。
[SAVE]ボタンで最大1000件の測定値を内部メモリに保存。

チャージプレートモニター EA-5J - SIMCO JAPAN

又、上記以外にも、様々なメーカーからチャージプレートモニターが販売されています。それぞれの機種の仕様や価格を比較し、ご自身のニーズに合った製品を選びましょう。

 

関連記事:静電気対策グッズ、用品の選び方、使い方 

*さらに詳しい内容は下記の文献を参考に願します。

静電気除去  参考文献

トコトンやさしい静電気の本

実務で使う静電気対策の理論と実践: 事例で解説!

静電気を科学する

参考文献:

静電気の基礎と帯電防止技術 著者:村田雄司 日刊工業新聞社
たのしい静電気  著者:高柳 真
静電気トラブル Q&A  監修:田畠泰幸
図解 静電気管理入門 著者:二澤 正行 工業調査会
静電気がわかる本―原理から障害防止ノウハウまで 高橋 雄造 (著)
電気機器の静電気対策 (設計技術シリーズ) 水野 彰 (監修)

まとめ

帯電プレートモニターは除電器、イオナイザーを使用する時に必要な測定器です、これがなければ除電管理はできません、高価ですが必ず 活用しましょう。

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