コロナ放電

プラズマボールのコロナ放電
プラズマボールのコロナ放電

コロナ放電とは    corona discharge 【図解】

「コロナ放電」とは、針の先のような局所に高電圧をかけた場合に起こる現象で、地面に対して放電が起きます。暗室で見ると尖端付近に淡い光(青白い光)が見えることがあります。

名称は放電で生じる発光が太陽のコロナと似ていることによる。

コロナ放電はエネルギーが小さい(流れる電流が小さい)ので,着火・爆発のもとにはならない。コロナ放電でも電圧を上げすぎると火花放電に転化するので,除電器に使うときなどは注意が必要である。電極尖端が尖つているほど(線が細いほど),そして相手の電極までの距離(ギャップ長)が大きいほど,コロナ放電は安定で火花放電になりにくい。

イオン化による静電気生成

イオン化による静電気生成

コロナ放電の安定性は極性にも関係し,負コロナ(尖った/細い電極に負の電圧を印加する場合をこのように表現する)の方が正コロナよりも火花放電に転化しにくい。 しかし,負コロナ放電にも難点があって負コロナよりも空気中の酸素からオゾンを生成しやすい。

コロナ放電 応用例

コロナ放電の周囲ではイオンが生成されるため、静電破壊や機器の誤動作などのトラブルの原因となる静電気をイオンで中和し、除電除塵を行なうイオナイザ(静電気除去器・除電器)として利用されています。

また、物質の表面を活性化する作用があるため、親水性や接着性、蒸着特性などを向上させる表面改質装置にもコロナ放電が用いられています。

電気集塵機

物体は導体、絶縁体に関わらず、コロナ放電などで生成したイオンに接触したりすることによって帯電する場合がある。空気清浄機がホコリやゴミを帯電させてフィルターに吸着させるのはこの現象を利用している。図4に電気集塵の原理を示す。

電気集塵機

電気集塵機

 

自己放電式除電器

帯電体,に例えば針のような先の尖った金属を接近させると,その先端部には誘導電荷が集中して集まり,先端部の電界が強くなる(図1)。この電界は帯電体の電荷によって作られるものであるから,帯電体の電荷量が多ければそれに比例して強くなる。

その結果,電荷量がある値以上になると金属の先端部コロナ放電が発生し,帯電体が除電されるようになる。コロナ放電が開始すると帯電体電荷と逆極性のイオンが発生し,帯電体に引きつけられてその電荷を中和する。

 

コロナ放電 応用例

コロナ放電 応用例

コロナ放電の問題点

コロナ放電を利用した除電装置は,長い間利用すると放電電極先端部から金属原子が飛び出して,その部分が摩耗したように形状が変化することが知られている。

 

この現象は特に空気の汚染を問題にする半導体産業などで嫌われる。そこで,針電極に石英の薄いカバーを付けた製品がある。この処理によって電極からの金属の放出は防止できるとされている。

 

ただし,石英は絶縁物であるから,この放電極は交流放電では有効であるが,直流放電には向かない。直流放電では電極先端が帯電して,電界強度が弱まってしまうからである。

コロナ放電を起こすとオゾンが発生する。オゾンは酸化力の強いことでよく知られておりており,人体にも害を及ぼす。現在のところ,除電装置ではオゾン発生量が少なくなるような放電条件で動作させているものもあるが,あまり考慮されていないものもある。

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