- 静電遮蔽とは electrostatic shield 【図解】
静電遮蔽とは electrostatic shield 【図解】
英語:electrostatic shield 中国語:静电屏蔽
静電遮蔽とは接地することによって中空部分に存在する帯電体の影響が外部に及ばなくなる現象を言います、別名:静電シールドです。
静電シールド(静電遮蔽)の原理
具体的には電場中に中空導体(帯電してない)を置くと静電誘導によって下図のように電荷が分布します。
このとき電荷は導体外側表面にのみ存在します。導体本体の電場は 0 です。
そしてこのとき、中空部分の電場も 0 です。等電位です。電気力線もありません。このように導体の中空部分が外部の電場の影響を受けないことを静電遮蔽(せいでんしゃへい)といいます。
静電遮蔽と磁気遮蔽の違い
静電遮蔽は 静電誘導を阻止する、例えば銅のような金属導体で周囲を完全に囲むことにより比較的容易に実現できる。金属板の代りに金網を使ってもよい。
磁気遮蔽は磁気誘導を 阻止する、外部磁界の影響を減少させるために、強磁性体の筒などで囲むこと。
静電遮蔽の活用
IC、LSIは静電気に弱いため、帯電物の影響を受けなくすることが重要になります。図のように帯電物からシールド板(金属板)を挟み、静電気に弱いもの(IC、LSI等)を置くと、静電気に弱い方の金属板の表面には電荷が現れないため、静電気に弱いもの付近の電界の発生を抑えることが可能です。
すなわち、帯電物から出る電界がシールド板(金属板)で止められるのです。注意点ですが、このように電界を止めるためには、必ず金属板を接地して発生する電荷を大地に流してください。
接地をしないと、静電誘導でプラスの電荷が静電気に弱い方の金属板の表面に現れ静電破壊が発生します。
動画 はく検電器で静電遮蔽を実験
はく検電器で静電遮蔽を見える化、分かり易い動画紹介。
はく検電器と静電遮蔽
静電気が発生したことを確かめる装置 下図ではびんの中にはく(金属をうすく広げたもの)が入っています。 上にある金属の板に、静電気を帯びたものを近づけると、はくが開きます。
例えば負に帯電した塩化ビニルを箔検電器の金属板に直接接触させると,通常箔は負に帯電して開くと考えられる。
負に帯電していることを確かめるには,負に帯電した塩化ビニルを箔検電器の金属板に近づければよい。箔が負に帯電していれば箔はさらに開く。
箔検電器の全周を金網で囲んで静電遮蔽をし、外部の静電気(ヴァン・デ・グラフ起電機で発生した静電気)を近づけても影響は受けない!