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静電気帯電防止作業服

帯電防止作業服
帯電防止作業服

静電気帯電防止作業服  Anti-static Work Clothing【図解】

英語:Anti-static Work Clothing   中国語:防静电防护服

“導電性繊維”を服の素材に使い、人体から発生する静電気を抑え、静電気に強い作業着の事を帯電防止作業服、静電気対策服、ESD等の名称で呼んでいます。

特定の職場においては主に静電気による引火やシステムの不具合などのトラブルを防ぐ目的で、着用が義務付けられています。

何故、帯電防止作業服が必要?

静電気と衣類には密接な関係があります。生活するうえで欠かせない衣類が静電気発生の原因の1つになっているためです。私たちが身に付けている衣類の多くは、石油を原料とするナイロン、ポリェステル、アクリルなどの合成繊維でできています。これらは木綿、絹、麻などの天然繊維よりも丈夫で、アイロンがけの手間が省けるなど便利な半面、天然繊維に比べて静電気が発生しやすく、その静電気が人体に帯電されます。

合成繊維製品がほとんどなかった戦前は、静電気を感じる人は少なかったともいわれます、自然素材の繊維は静電気を起こしにくいため、感電しやすい人や電子工場に勤務する人の中には、自主的に木綿の肌着を着用する人もいるようです木綿のほか、麻、レーヨンなども帯電しにくい繊維として知られています。

ポリェステルなど同じ種類の合成繊維の摩擦でも静電気は発生しますが、とくに種類の異なる合成繊維が摩擦すると静電気は大きく発生することも分かっています。帯電列の項目でも述べましたが、衣類の素材によってはプラスに帯電しやすいものもあれば、マイナスに帯電しやすいものもあります。

半導体工場で用いる服に無塵衣とか、防塵服と呼ばれるものがあります。
これは人体からでるホコリを防止するものですが、同時に静電気対策でもあります。繊維中に細かい金属繊維が織り込んであり、これが導電性を帯びています。
そして人体が静電気を発電しても、衣服がそれを外部に漏洩させ、帯電しないようにし、半導体を静電気から守っているのです。

又、石油化学工場では静電気によって火災が起こったり、医薬品工業や精密電子工業では、放電や衣服に付着した異物が原因で品質問題が発生し、工場の生産に影響を及ぼしたりする可能性があります。 そのために帯電防止作業服は製造業などの現場作業着として非常に重要な機能を果たしています。

何故、帯電防止作業服が必要

何故、帯電防止作業服が必要

 

帯電防止作業服の仕組みは?

繊維の導電化には以下の方法が用いられている。

繊維表面を導電化する方法

絶縁性の繊維の表面に,真空蒸着やスパッタリングなどの方法により,金属被膜を形成する方法が用いられている。繊維の電気抵抗は静電気障害を除く目的には十分過ぎる程度に低くなり,静電シールドなどの用途にも使用できるものも作れる。

被膜の形成により透明性は失われ,色が被膜の素材によって決まってしまうから一般的な衣類向きではなく,装飾用などに用いられている。

繊維に導電性物体を混入する方法

カーボンブラック,カーボン繊維,金属繊維などを繊維に混入する。カーボン繊維は強度を増すために良く用いられている。カーボンブラックを混入した繊維は黒色になるため,衣類用などには一般的ではない。

繊維に混入する導電性物体として導電性高分子を使用したものは,衣類用の目的に用いられて成功している。導電性高分子は電流は流すが強度などの物性が繊維の用途には向いていないものが多い。そこで導電性高分子を細い繊維にして,帯電防止性を持たせたい繊維の中に入れる方法があり,効果を発揮している。

導電性繊維には、製造段階の化学繊維の糸の中心・芯部分に電気を通しやすい繊維を入れたり、繊維の表面に金属を蒸着させてコーティング(被覆)したり、ステンレス鋼のような金属を繊維化した金属繊維を使用するなど、様々な活用方法があります。

帯電防止作業服  導電性物体を混入

帯電防止作業服  導電性物体を混入

日本工業規格JIS T 8118では静電気帯電防止作業服を下記のように定義しています。

帯電防止作業服JIS適合品とは?

『作業服の静電気帯電に起因して発生する災害・障害を防止するため,生地に帯電防止織編物を使用して縫製した静電気帯電防止作業服(上衣,ズボン,つなぎ服,防寒服など,以下,帯電防止服という。』

素材については、導電糸を一部に使用した帯電防止繊維を裏地も含めて使用すること、やむを得ず補強のための裏地やポケット裏地で帯電防止素材でない生地を使用するときは、その面積が帯電防止作業服の表面又は裏面露出面積のそれぞれ20%を越えないものとすることと定められています。

裏地付き帯電防止服(わた入りの防寒服など)の生地は、表地及び裏地についても帯電防止織編物を使用し、原則として裏毛生地(ボア)は使用しないこと。やむを得ず、襟、袖口などに帯電防止織編物でない生地を使用する場合は、その面積が帯電防止服の表面又は裏面露出面積のそれぞれ20%を越えないものとする。
金属製付属品(ボタン、ファスナを掛けた状態)においては直接外側に露出しない構造にすること。

静電気帯電防止作業服 JIS性能

1.帯電防止服の性能は,洗濯試験によって試験したとき,1 点 当たりの帯電電荷量が 0.6 µC 以下でなけ ればならない。

2.帯電防止作業服の生地に使用する帯電防止織編物は,『帯電防止織編物の試験』によって試験したとき,帯電電荷量が 7 µC/m 2 以下のものでなければならない。

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