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帯電防止椅子の仕組み、選び方、効果的な使い方【図解】

帯電防止椅子 静電気の基本
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帯電防止椅子の原理、選び方、効果的な使い方

帯電防止椅子の購入ガイドとして下記のポイントをメインに解説しています。

・帯電防止椅子の原理、仕組み、効果

・帯電防止椅子の使い方、保管

 

ご参考になれば幸いです。(^_^;)

 

帯電防止椅子とは

帯電防止椅子とは、静電気を防止するために設計された椅子のことです。

静電気の発生

私たちの身の回りでは、摩擦などによって静電気が発生しています。特に、乾燥した冬場や、化学繊維製の衣類を着用している場合に発生しやすくなります。静電気は、人体に帯電すると、電子機器の誤作動や火災の原因となることがあります。

関連記事:静電気障害事例2:チェアとの摩擦による人体の帯電

帯電防止椅子の仕組み

帯電防止椅子は、座面や背もたれに導電性の素材を使用することで、人体に帯電した静電気を床に逃がし、静電気の発生を抑制します。

帯電防止椅子を英語と中国語で表すと以下のようになります。

  • 英語: anti-static chair または ESD chair (ESDはElectrostatic Dischargeの略)
  • 中国語: 防静电椅子 (fáng jìng diàn yǐ zi)

ちなみに、韓国語では「정전기 방지 의자 (jeongjeongi bangji uija)」と言います。

関連記事:静電気障害事例3:チェアで起きる静電気放電ノイズ

帯電防止椅子の種類

帯電防止椅子には、主に以下の2つの種類があります。

  • 導電性チェア: 静電気を速やかに床に逃がすことで、静電気の発生を抑制します。
  • 静電気拡散チェア: 静電気をゆっくりと拡散させることで、静電気の発生を抑制します。

帯電防止椅子の用途

帯電防止椅子は、静電気による障害を防ぐ必要がある場所で使用されます。主な用途としては、以下のようなものがあります。

  • 電子部品の製造工場: 静電気による電子部品の破損を防ぐため
  • クリーンルーム: 静電気による塵埃の付着を防ぐため
  • 病院: 静電気による医療機器の誤作動を防ぐため
  • オフィス: 静電気によるパソコンなどのOA機器の誤作動を防ぐため

 

その他

  • 帯電防止椅子は、静電気対策だけでなく、埃や汚れから製品を守る役割も果たします。
  • 帯電防止椅子は、繰り返し使用することができますが、効果が薄れてくる場合があるので、定期的に交換することが推奨されます。

静電気による被害を防ぐためには、帯電防止椅子を適切に利用することが重要です。

 

帯電防止椅子の選び方

帯電防止椅子を選ぶ際には、以下のポイントを考慮しましょう。

電気抵抗値:

  • 帯電防止椅子の性能は、電気抵抗値で表されます。一般的に、10^5~10^11Ωの範囲が適切とされています。
  • この範囲内の抵抗値であれば、静電気を効率的に逃がし、人体や機器への悪影響を防ぐことができます。

 材質:

  • 座面や背もたれには、導電性のある素材を選びましょう。
  • 一般的には、導電性ビニールレザーや導電性布地が使用されます。
  • また、クッション材にも導電性ウレタンフォームなどを使用している椅子もあります。

キャスター:

  • キャスターも導電性のあるものを選びましょう。
  • 導電性キャスターは、床に静電気を逃がす役割を果たします。
  • キャスターの材質は、導電性ナイロンや導電性ゴムなどが一般的です。

関連記事:静電気障害事例1: キャスターによる帯電

 

その他の機能:

  • 座面の高さ調整や背もたれの角度調整など、快適な座り心地を実現するための機能も重要です。
  • 長時間座って作業する場合には、特にこれらの機能に注目しましょう。
  • また、アームレストやヘッドレストの有無も考慮しましょう。

使用環境:

  • 使用する環境に合わせて、適切な椅子を選びましょう。
  • 例えば、クリーンルームで使用する場合は、発塵が少ないクリーンルーム対応の椅子を選ぶ必要があります。
  • また、作業内容によっては、座面が回転する椅子や、移動しやすいようにキャスター付きの椅子が便利です。

価格:

  • 帯電防止椅子は、通常の椅子に比べて価格が高い傾向があります。
  • 予算に合わせて、適切な椅子を選びましょう。
  • ただし、安価な椅子は品質が低い場合もあるため、注意が必要です。

補足:

  • 帯電防止椅子は、静電気によるトラブルを防ぐために、様々な場所で利用されています。
  • 例えば、精密機器を扱う工場や研究所、病院の手術室などでは、帯電防止椅子が必須となっています。
  • また、オフィスや家庭でも、静電気による不快感を軽減するために、帯電防止椅子を使用する人が増えています。

上記のポイントを参考に、自分に合った帯電防止椅子を選んでください。

帯電防止椅子の選び方

 

メーカー別 帯電防止椅子  おすすめ商品

帯電防止椅子は、静電気対策が必要な現場で働く方にとって必須アイテムです。メーカー別に特徴やおすすめ商品をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

 ノーリツイス

  • 特徴: 人間工学に基づいた設計で、長時間の作業でも疲れにくい椅子を製造。帯電防止機能も充実しており、幅広いニーズに対応。
    • おすすめ商品: 導電チェア TE-EL6L
      • 座面高さ調整可能、背もたれ角度調整可能で、快適な座り心地を実現。
      • 導電性ビニールレザーを使用し、静電気を効率的に逃がします。
  • その他: クリーンルームチェアも製造しており、クリーンルームでの作業にも最適です。

 トラスコ中山

 サンワサプライ

アズワン

 

補足

  • 上記以外にも、多くのメーカーが帯電防止椅子を製造しています。
  • 各メーカーのウェブサイトやカタログで、製品情報や価格を比較検討することをおすすめします。
  • 使用環境や用途に合わせて、最適な椅子を選びましょう。

帯電防止椅子の除電効果 データーは?

帯電防止椅子の除電効果を測るデータとしては、主に電気抵抗値 が用いられます。

電気抵抗値は、物質中を電流が流れにくさを表す値で、単位はΩ(オーム)です。帯電防止椅子においては、人体に帯電した静電気を椅子を通して床に逃がす必要があり、その流れやすさを電気抵抗値で評価します。

一般的に、帯電防止椅子に求められる電気抵抗値は 10^5Ω~10^11Ω の範囲です。

  • 10^5Ω以下: 静電気が流れやすすぎるため、人体にショックを与える可能性があります。
  • 10^11Ω以上: 静電気が流れにくく、帯電防止効果が不十分です。

この範囲内の電気抵抗値であれば、静電気を効率的に逃がし、人体や機器への悪影響を防ぐことができます。

具体的な測定方法としては、以下の2つが挙げられます。

  1. 表面抵抗率: 椅子の表面の電気抵抗値を測定する方法。JIS L 1094に規定された測定方法があり、専用の測定器を用いて行います。
  2. 体積抵抗率: 椅子の内部の電気抵抗値を測定する方法。JIS K 6911に規定された測定方法があり、こちらも専用の測定器を用いて行います。

これらの測定結果により、帯電防止椅子の除電効果を数値で確認することができます。

補足:

  • 電気抵抗値は、椅子の材質や構造、湿度などの環境によって変化します。
  • 椅子を選ぶ際には、メーカーが公表している電気抵抗値を参考にしましょう。
  • また、定期的に電気抵抗値を測定し、椅子の性能が維持されているか確認することも重要です。

 

帯電防止椅子の効果的な使い方

帯電防止椅子は、ただ座るだけで静電気対策になるわけではありません。効果的に使うために、以下のポイントを押さえましょう。

導電性の床材と併用する

帯電防止椅子は、人体に帯電した静電気を椅子を通して床に逃がすことで効果を発揮します。そのため、床材も導電性である必要があります。導電性タイルやカーペット、静電気防止マットなどを併用しましょう。

アース接続を確認する

椅子や床材にアース線が正しく接続されているか確認しましょう。アース接続が不十分だと、静電気がうまく流れず、帯電防止効果が得られません。

 定期的に清掃する

椅子の表面にホコリや汚れが付着すると、導電性が低下し、帯電防止効果が弱まります。定期的に清掃し、清潔な状態を保ちましょう。特に、座面や背もたれ、キャスターなどは念入りに清掃してください。

湿度を適切に保つ

乾燥した環境では静電気が発生しやすいため、湿度を40~60%に保つように心がけましょう。加湿器などを活用して、適切な湿度を維持してください。

他の静電気対策と組み合わせる

帯電防止椅子だけでなく、リストストラップや静電気防止服など、他の静電気対策と組み合わせることで、より効果的に静電気を防止できます。

正しい姿勢で座る

椅子に深く腰掛け、背もたれにしっかりと背中を付けるようにしましょう。足の裏全体が床に接するように座ることも大切です。正しい姿勢で座ることで、体と椅子の接触面積が増え、静電気を効率的に逃がすことができます。

立ち上がるときはゆっくりと

急激に立ち上がると、摩擦によって静電気が発生しやすくなります。ゆっくりと立ち上がり、静電気が発生するのを防ぎましょう。

 衣服の素材に注意する

合成繊維製の衣服は静電気を帯びやすいため、綿や麻などの天然素材製の衣服を着用する方が効果的です。

補足:

  • 帯電防止椅子は、静電気によるトラブルを防ぐための有効な手段の一つですが、万能ではありません。
  • 他の静電気対策と併用することで、より高い効果を得ることができます。
  • 静電気対策は、作業環境や作業内容によって適切な方法が異なります。
  • 専門業者に相談するなどして、最適な対策を検討しましょう。

 

*さらに詳しい静電気除去については下記の文献を参考、願います。

 

静電気除去  参考文献

トコトンやさしい静電気の本

実務で使う静電気対策の理論と実践: 事例で解説!

静電気を科学する

 まとめ

  • 帯電防止椅子を選ぶ際には、サンプルを取り寄せてテストしてみることをおすすめします。
  • 専門業者に相談することで、最適な帯電防止椅子を選ぶことができます。

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