除電ブラシ static eliminator brush 【図解】
英語: static eliminator brush 中国語:除静电毛刷
除電ブラシはカーボンファイバーやステンレスの極細繊維をつけた工業用途の除電ツールです。除電ブラシを静電気を帯びた基材へ近づけることで、静電気を除去することが出来ます。
別名:スタティック・エリミネーター・ブラシとも呼ばれます。
TVモニター等のホコリ取りとして販売されてる静電気ホコリ取り 商品名:フラワークリーン、ホコリキャッチャー、クリーニングブラシ等と同じくコロナ放電を応用して除塵している。
除電ブラシの原理
異なる2種類の物質が摩擦、剥離すると、一方にプラス電気またはマイナス電気が発生する。
この時に導電性繊維を使用するとまわりの空気が電解されてプラス又はマイナスイオンが発生(コロナ放電)し、互いの逆極性の帯電体に移動して電荷を中和させる。
これを利用してTVモニター等の絶縁体に帯電によって付着したゴミ、ホコリ発生したを中和させて除塵する。
受動除電と除電ブラシ
受動除電では,高電圧電源を使わずに,除電する対象物に“除電ブラシ”を近づけて置く。除電ブラシは,図3.9のように塗装用の刷毛の幅を広くしたような(数百mm)形状をしている。除電ブラシを自己放電式除電器と呼ぶこともある。
除電ブラシの毛には細い金属線や力-ボン繊維を使用し,接地して使う。帯電した物体は,接地に対して相当に高い電位になる。プラスチックの下敷きをこすっただけでも数kV~数十kVになる。
帯電した物体に接地した除電ブラシを近づけると,この電位により除電ブラシの毛の先からコロナ放電が起きる。帯電物体の極性が正ならば,接地除電バーは帯電物体に対して相対的に負であるから,除電ブラシのコロナ放電は負コロナである。同様に,負に帯電した物体の近くに置いた除電ブラシからは正コロナが起きる。つまり,物体の帯電を中和する極性のコロナ放電が起きるのである。このように,除電ブラシは正に帯電した物体でも負に帯電した物体でも除電できるから,便利な存在である。
除電ブラシ自体は高電圧電源を持たず除電対象物の電位を利用するので,これによる除電方法を受動除電と呼ぶ。除電ブラシは安価であり,設置は簡単で,高価かつ安全への配慮の必要な高電圧電源を使用しない。 しかし,除電ブラシが有効であるためには条件がある。
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除電ブラシ vs 除電ひもの違い
除電ブラシも除電紐も、静電気を除去する原理は同じです。どちらも極細の繊維を静電気を帯びた基材に近づけて、微弱なコロナ放電で除電します。
違いはコンベアー上に設置した除電ひもはたるみやすいので巻き込まれてしまう可能性があります。
しかし、巻き込み事故を回避するため、距離を離して設置すると 今度はコロナ放電による静電気除去効果が低くなる、ということになります。
それに対し、除電ブラシの場合、繊維がホルダーにしっかり固定されているため、たるんで走行中のフィルムに巻き込まれる可能性が極めて低くなります。
除電ブラシは、巻き込み事故のリスクを低減し、かつ コロナ放電による除電効果を生かすため、フィルムへ近づけて設置しても高い安定性があります。
除電ブラシの種類
除電ブラシには様々な形状や種類があり、電極はステンレス繊維のものから導電性不織布のものまで色々、販売されています。
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