- 粉塵爆発 dust explosion 【図解】
- 粉塵爆発が起こる条件
- 静電気による粉塵爆発の事例
粉塵爆発 dust explosion 【図解】
英語:dust explosion 中国語:粉尘爆炸
粉塵爆発とは、可燃性の粉塵が大気中に浮遊した状態で着火し、爆発を起こす現象のことです。ここでの可燃性粉塵とは、金属粉、炭塵、さらに小麦粉などの可燃物の事です。
500ミクロン以下の大きさの粉体に火花や静電気などが引火して爆発することがあり、その破壊力は人や設備に甚大な被害をもたらします。
粉塵爆発が起こる条件
大惨劇をもたらす可能性のある粉塵爆発には、それが起きる条件というものがあります。これらの条件がすべてそろった瞬間に粉塵爆発が発生します。ここからは、そんな粉塵爆発が起こる三大条件について見ていきましょう。粉塵爆発が起こる条件は、「酸素」、「爆発下限濃度以上の可燃物の粉塵」、「最小着火エネルギー以上の着火源」です。
静電気による粉塵爆発の事例
工場などで静電気放電が生じると可燃性ガス,液体,粉体の着火・爆発を引き起こすことがある。可燃性のものがあるときには,とくに注意が必要である。
ガソリンスタンドで,給油する前に設置したゴム片にさわって人体を除電するのは事故予防のひとつである。油性インキを使う印刷工場ではローラーの帯電による引火による火災の恐れがある又、ラベル紙製造の糊塗工機では有機溶剤が多いので,この放電に起因する着火事故防止に配慮しなければならない。
石油系液体のタンクの内面塗装が帯電して,これに接地物体(チェーンや測定器具)がさわると,塗面全体に広がる強大な放電が起こり、着火・爆発のもととなる。
可燃性ガスが空気と混合して,この中で火花放電が起きた場合,着火・爆発に至る目安として放電の“最小着火エネルギー”がある。
液体だけでなく粉体も,輸送などの取り扱い中に容易に帯電する。工業のみならず農業で小さく裁断した材料や,ペレットや粉を取り扱うことがある。粉炭,セメント,穀物,茶葉,飼料など,その例は非常に多い。お茶の葉を製造するとき電子レンジ中で乾燥するが,このとき茶葉が帯電して静電気放電から発火する可能性がある。山芋の粉の製造工程でも,静電気が問題となったことがある。
サイロなどの大きな容器にこれらを落とし込むときなどに,帯電は起きやすい、粉塵の最小着火エネルギーは可燃性ガスに比べて大きいが,粉体の除電は困難であるので,注意が必要である。
粉塵爆発の仕組みや原理の詳細は下記の記事を参照してください。
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